物語論物語
「ああ、僕は、なんとかこの女と別れなければ…」と思いつつ…


目  次

   第1章 裏切られるために愛しつづける僕

      「裏切られるために愛しつづける僕」〜
      もしも僕が劇中作家にすぎないとするならば、いったい誰が愛のドキュメ
      ンタリーを文字として書いてくれるというのか。

   第2章 呪われた女を抱きつづけていた僕

      「ぼ、僕は、なんという呪われた女を抱きつづけていたのか」〜
      敬虔なる信仰者である僕が、神的表現者の愛を受肉することは、物語的愛
      のドキュメンタリーからの脱落であると君はいう……

   第3章 愚かなる表現者として笑われたい僕

      「僕は、君に隷属する情夫の愛をつらぬくために<愚かなる表現者>たら  
      んと決意する」〜
      はたして、自らを恐怖と絶望の果てに突き落として喜んでいるのは、僕自
      身の欲望なのだろうか。

   第4章 僕の「〜したい」夢物語

      「君は、僕の<〜したい>夢物語を拒否しつづける」〜
      僕が僕であることが、「〜したい」僕を正体不明にしているということなのか

   第5章 書いてはいけないものを書いてしまった僕

      「ひょっとすると僕は、<書くということは、書かれなかったものについ  
      ては、書かなくてもいいということ>によって、穏やかな疑似インポテン
      ツたりえているのかもしれない……」〜
      僕の、その存在理由である反省をも眩惑しうる狡猾なる自己欺瞞が行われてい
      た、 と君はいう……

   第6章 別れられないのに別れたいと言ってしまう僕

      「無反省な悪性自己愛に呪縛されている僕が、なぜ反・芸術論的立場を主
      張しえたのか」〜
      「愚かなる表現者」として「身を持ち崩す」ってことは、自己分裂という強烈
      なる今日的問題を曖昧にして、時代錯誤の悪性自己愛を生き延びさせようとす
      る悍しき権力志向なのだと君はいう……



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