絵空事 /1980

アルボス<樹> / アルヴォ・ペルトの世界

クレーメル(vn) / ヒリアード・アンサンブル

 

音楽はギドン・クレーメル (vn) と The Hilliard Ensemble による
「アルボス / 樹 / アルヴォ・ベルトの世界」です。
これも絵空事の表現世界を語るのに不可欠の音楽ということになります。
沈思と重く厳しい清涼感の中で命の火照りを探り当て、
ここで仏教的言説の迷宮にふみいり般若理趣経の世界へと埋没していきます。

 

ARBOS / Arvo Pärt

Gidon Kremer / The Hilliard Ensemble

ECM POCJ-1975

(movie/ 25;07)

 


絵空事 /1983

ケルン・コンサート

キース・ジャレット

 

キース・ジャレット「ケルン・コンサート」は、koya の浅間高原における隠遁生活を
自己浄化へと 誘うミューズ神のささやきだったといえます。神秘的にして荒ぶる
自然的な欲求、人ひとりの思いなど何の関わりもない自然的脅威、そんなものを垣間見せる音の道を、
凍てついた 雪原から 緑の深い森へと貫通する清涼なるものへの憧れの風として開示し、
それを聖霊の惜しみない 祝福で満たしたのです。

 

KEITH JARRETT / THE KÖLN CONCERT

ECM 1064/65 810067-2

(movie/ 11;03)

 


絵空事 /1984

高橋アキ plays 武満 徹

Aki TAKAHASHI plays TAKEMITSU (6~11)

 

koya の青年期における苦悩的表現者としての出生は武満徹の音との遭遇によって
語ることが出来ます。 音楽ではなく、音によって世界の再構築を実現する奇跡。
koya にとっては社会の変革という茫漠たる夢想より、自己変革の現実性を暗示して
いたのです。koya 1980年代の反省的方法論は、いま一度武満の音で浄化する必然に
迫られていたといえます。

 

EASTWORLD TOCE-55237

(movie/ 10;29)


絵空事 /1985

ウエザーリポート

アイ・スイング・ザ・ボディ・エレクトリック

 

koya の言説における一つのエポックはこの年の「風の<何>景」です。
6F は反省的方法論の烈風が 吹き荒れて絵画的愉悦は何も残っていません、
いや、生命観の 世俗的欲求を弄ぶ<何>ばかりなのです。そんなときにかつて
立ち止まることのなかった古いジャズを聴いていましたが、
何よりウェザーリポートは風通しのよい音楽でした。

 

WEATHER REPORT / I SING THE BODY ELECTRIC

COLUMBIA CK46107

(movie/ 13;33)



 

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