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「言葉の断片」あるいは「何かの物語」

〜たまたま「愛のテーブル」



 画面に取り残された言葉の断片、それはすでに語られていた物語の名残か、それともこれから語られようとしている物語の道しるべか… 
 たとえば、宇宙に遍万するガスや塵が何かの拍子に集まって、気の遠くなるような時間の果てに星が生まれることがあるように、パソコン宇宙の混沌とした記憶箱の中で澱のようにたまっていた画像データが、ひょんなことで何かの物語を語り始める。いつもなら「これが<何>の物語です」といって済ませてしまうのだが、たまたま魔が差して、この「何でもありの何の物語」に「愛のテーブル」などというどうでもよい言葉をあてがってしまった。その顛末がこの作品です。

 (<何>とは、「これは何か」と問いかけること自体が回答にならざるを得ないという解答のない問いかけ。これを「何って何!? 」と表記したが、<何>の一言で代用することもある。この「何って何!?」こそが私の表現活動におけるキーワード)


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